2011年02月07日
六研/エラン ガバメント発火モデル情報7 その理由
雑誌にも詳細情報が掲載され、発売の期待が高まる“六研/エラン コンバットガバメント 発火モデル”ですが、実際のところ、もう量産体制に入れるくらいの状態でした。ではなぜ未だに明確な発売日と価格が発表されないのか? その理由を先日、工場見学という形で確認させていただきました。
ご存知のように、六研/エランの製品は、射出成型後に切削加工を施して精度を出しています。樹脂の、しかも金属粉を混入したようなものはとても加工が厄介で、弾性はあるくせに刃物がすぐに傷むと(この辺りは最近の製品に入っているブックレットを参照ください)精密加工をする工場ではあまりやりたがらない部類の材質です。しかし、ダミーカートモデルであれば精度の許容値もそれなりにありましたが、発火モデルとなると、安定した作動のためには出来るだけ理想値で、バラつきが無く生産したい。そのためここに至り、エランの廣瀬社長は、より精度の高い加工が出来る工場へ変更するという決断を選択したのです。
そしてこの工場変更というのは、皆さんが気にする作動性ともう一つ重要な“価格”という点にも影響します。すでに発表があったように発火モデルは、井部 弘 氏(元MGC開発部長、現カートリッジ・ワーク)の調整済みで出荷されます。もちろん井部氏は調整だけをするわけではなく、開発も担当していて、六研/エラン ガバメントのリアルな構造をできるだけ変更せずにブローバックさせることが出来たのは、井部氏の功績が大きいのです。機構的に再現する事が出来ないバレルロッキング、弾頭が飛ぶわけではないためエジェクション時に実弾より長い状態のエンプティケース、材質的な強度、そして絶対的に違う火薬の爆発力。これらの事から細かな加工は各所に施されています。この加工こそが井部氏の経験値による賜物です。そう、ここで価格です。こんな事を言うと怒られそうですが、職人による手作業はかなりコストがかかります。当然です、それだけの事をしているわけですから。ではどうするか? できるだけ職人技をCNC加工に落とし込むのです。今まで試作した物を元に、これくらいまではCNC加工で追い込める、あとは手作業という数値を出していき、職人技を少しでも減らしていきます。これも実は井部氏自らが行っています。井部氏にしてみると、自分の仕事を減らす行為なんですけどね。これによって少しでもコストダウンを図ろうとしているのです。
発売が延びている理由がお分かりいただけたでしょうか。早い段階から見させていただいている私としても、発売が待ち遠しいのですが、今しばらく辛抱です。ここでお願いですが、実は最初の頃から懸念されている事に、高いモデルだから撃ってもらえないのではないか? というのがあります。個人の自由ではあるのですが、手に入れられた方は、ぜひともたくさん撃っていただき、その感想をエランにフィードバックしていただきたいと思っています。それが次の良い製品へと繋がりますので、ぜひお願いします。(敏)
Posted by ポストホビー渋谷店 at 03:56│Comments(0)
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